資金調達データ
- 配信日2024年11月29日 18時24分
ニュースの概要
2024年10月、日本の住宅ローン市場において金利上昇の兆しが見られるという情報が発表されました。マンションリサーチ株式会社とホームローンドクター株式会社の分析によると、変動金利と固定金利の両面で金利が上昇しており、特に変動金利は0.615%に達し、前年同月と比べて大きな上昇を示しています。一部銀行は金利を据え置いているものの、多くの銀行が金利引き上げに動いており、変動金利の上昇傾向は明らかに見受けられます。
また、10年固定金利も1.342%に上昇し、米国の経済影響を受けて国内金利全般が安定していない状況にあります。さらに、全期間固定金利は2.029%に達するなど、固定金利全般においても上昇傾向が続いています。特に、業界専門家は今後変動金利よりも固定金利が早く、かつ大きく上昇することを予測しており、金利上昇前に固定金利を利用することが望ましいとの見解を示しています。
参考にすべきポイント
このニュースが特に法人経営者や経理・会計・総務・財務担当者にとって重要な点は、以下のいくつかの観点にあります。
第一に、金利上昇の傾向は、企業が不動産を取得する際の資金調達コストに直接関わる事柄であるため、住宅ローンの動向を注意深く観察する必要があります。特に変動金利のより高い上昇リスクを考慮すると、企業の財務計画を見直し、必要に応じて早期に固定金利での借入を検討する選択肢が出てくるでしょう。
第二に、異なる金融機関ごとの金利の差異も重要です。現在、りそな銀行は一時的に変動金利を引き下げており、一部の地方銀行も競争力ある金利を提供しているため、金利の引き下げを行っている銀行を見極め、最適な借入先を選ぶことが経営戦略において影響を及ぼします。
第三に、今後の日銀の政策や米国経済の動向が金利に与える影響も無視できません。これによって、今後の経済環境がどのように変わるかを把握し、企業の資金調達戦略を柔軟に対応する重要性が増してきます。
活用する方法
これらの情報を踏まえて、法人経営者や経理・会計・総務・財務担当者がどのように活用できるかを考えてみましょう。
まず、企業内で金利上昇に対するリスク管理体制を整備することが求められます。定期的に金利の動向をチェックし、それによって資金調達計画を見直すだけでなく、シミュレーションを通じて将来的な金利変動に対する感度分析を行うことが推奨されます。特に、資金調達に対する固定金利の利用を検討する場合、金利差を事前に評価し、早期に意思決定を行うための情報収集が重要です。
次に、金融機関との関係を強化し、金利に関する具体的な提案を受けることも効果的です。特に変動金利のリスクが高まっていることから、固定金利へのコンバージョンや借換えを提案している金融機関を見極める必要があります。このためには、金融機関とのミーティングを定期的に行い、最新情報を収集しやすい環境を整えておくことが重要です。
また、全社的な財務戦略に金利の影響を組み込むことによって、経営層が金利の変動に対して敏感に反応できる体制を整えることが重要です。予算策定や長期計画に金利の状況を組み込み、金利が上昇した場合に備える柔軟な経営を目指す必要があります。
最後に、マーケットの情報を継続的にアップデートし、住宅市場や金利動向の変化をタイムリーに把握するためのデータベースや関連情報サイトを活用することが有用です。マンションリサーチ株式会社が提供するデータやレポートを参照することで、企業活動に資する有効な情報を得られるでしょう。
以上のような点に留意しつつ、今後の住宅ローン市場の金利動向を注視することは、企業のサステナブルな成長に向けた重要なステップとなります。
2024年10月、住宅ローン金利上昇の兆し ~変動金利と固定金利の動向を分析~住宅ローン市場は「金利のある時代」へと回帰マンションリサーチ株式会社2024年11月29日 18時24分8マンションリサーチ株式会社(東京都千代田区神田美土代町5-2)はホームローンドクター株式会社(東京都中央区八丁堀2-19-6)代表取締役 淡河範明(おごう のりあき)氏への聞き取り調査により、住宅ローン金利の推移を予測しました。
グラフ1:DH住宅ローン指数の推移
出典:ホームローンドクター(株)■変動金利について
2024年10月、住宅ローン市場は「金利のある時代」へと回帰し、多くの銀行が変動金利を引き上げました。金利を据え置いた銀行も一部ありましたが、大半が引き上げに踏み切ったため、市場全体として金利上昇が鮮明になった月といえるでしょう。
(グラフ1に示す通り)今月は、DH住宅ローン指数の変動金利は、0.615%と前月の0.610%から0.005%の上昇となりました。また1年前の変動金利が0.482%であったことから、金利上昇をはっきり感じられるでしょう。
注目すべきは、他の銀行が金利を上げる中で、りそな銀行が一部条件付きで金利を引き下げた点です。りそな銀行は10月に0.15%引き上げたものの、11月には0.1%引き下げ、変動金利を0.39%と「0.4%」を下回る水準に抑えました。これより低い金利を提供しているのは、auじぶん銀行、三菱UFJ銀行、みずほ銀行の3行のみです。
日銀の植田総裁は10月末の会見で「経済・物価見通しが現状の予測通りなら、政策金利を引き上げていく」と発言しました。このため、今後の利上げのタイミングに注目が集まり、変動金利がさらに上昇する可能性が示唆されています。■10年固定金利について
固定金利選択型の内、10年固定を中核
出典 PR TIMES